ホームズ物語の女性たち

 

 シャーロック・ホームズが、自分は、女性のことを全く見下していて、恋愛感情というものをひどく忌避していると公言していることは、かなり有名な話。

 しかし、主人公がこのような女性観を掲げているにも関わらず、正典に登場する女性たちの多くは、容姿が美しいだけでなく、善良な性格、気高い心がけ、しっかりした意志を持った立派な人物で、ホームズ自身も、彼女たちに心からの敬意と思いやりを以って接しています。彼がしばしば冷笑するような、浅はかで愚かな女性は、ほとんど登場しないと言ってよいでしょう。

 ホームズの女性観は、原作者のドイル自身の女性観を反映したものであり、ドイルの不幸な結婚生活に由来するという指摘もあるようですが、物語中に登場する、ややステレオタイプと言えなくもない、「美しく、気丈で、立派なレディ」たちの描写を見ていると、ホームズの女嫌いは、その「冷徹な合理主義者」という一面を強調するために意図的に付与された性格であり、作者自身の女性観というのは、当時の良識と品性そなえた紳士階級に共通する、「美しく立派な女性は、尊敬し、庇護しなければならない存在である。」という、騎士道精神にも共通するものであると言えるでしょう。

 さて、グラナダ版に毎回ゲストとして登場する女優たちが、特に美しい女性ばかりである、と感じているのは、私だけではないでしょう。イギリスで制作された他のドラマ・シリーズと比べても、際立っているように思えます。

 そこで、シリーズの中で、特に印象に残った美女たちを紹介してみたいと思います。(一部ネタバレがありますので、ご注意下さい。)

アイリーン・アドラー

メアリ・モースタン

ゲストの女性たち(随時更新します)

INDEX  戻る