平安狸合戦ぽんぽこ

 夏風邪をこじらせ、重い熱の病を患った博雅が、静養のために晴明に付き添われて若狭国小浜の別邸に移り住んでから、ひと月ほどが過ぎた。

 風がすっかり秋めいてくる頃には、かなり回復して、庭をそぞろ歩いたり、気持ちが向けば、晴明に止められるまで何刻でも笛を吹いたり、琵琶を奏でたりするようになった。

 そんなある日のこと。

 朝餉の後、寝所で休んでいた博雅は、うつらうつらとしながら、何やら胸苦しさを感じた。

 何かが胸を押さえつけているようだ。

 はっと目覚めた博雅の視界いっぱいに、何やら濃い灰色のものが広がっている。

 「うわあああああ」

 厨にいた晴明は、突然の叫び声に飛ぶように寝所に駆けつけてきた。

 「どうした・・・」

 そして、褥の上に仰向けになっている博雅の胸の上に何やら黒っぽいものがしがみついていて、その顔を覗き込んでいるのを見ると、すうっと目を細めた。

 やおら歩み寄ると、驚きの余り固まっている博雅の胸からそれを無造作にはぎとった。

 「何だ、狸の子ではないか」

 晴明の手に首筋を掴まれてじたばたしているのを見た博雅は、拍子抜けした顔になった。

 くりっとした黒い瞳と、むくむくした灰褐色の毛の愛らしい、小さな子狸であった。

 「どこから入ってきたのだ?」

 博雅が小袖の衿もとを直しながら首をかしげると、晴明はうっすらと微笑した。

 「ちょうどよい。今宵の夕餉は狸汁にしよう。」

 「喰ってしまうのか?」

 博雅は目をむいた。

 「そうだ。精がつくぞ。」

 晴明は涼しい顔だ。

 「何も喰ってしまうことはなかろう。・・・あわれではないか。」

 博雅が抗議し、身の危ういのを察したか、子狸も死に物狂いでもがき出した。

 そこへ、庭の方から声がした。

 「お、お助け下さいませ。」

 晴明が子狸をぶら下げたまま、蔀戸を開けると、庭の中央で、ぽっちゃりした小柄な女が両手をついていた。

 「どなたかな?」

 晴明に問われて、女は深々と頭を下げ、細くて甲高い声で答えた。

 「その子狸の母でございます。立ってのお願いがございましてまかり越しましたところ、我が子がいつのまにやらお屋敷の中に紛れ込んでしまい、大変なご迷惑を・・・」

 「ほう」

 晴明は薄く微笑んだまま、

 「そなたは狸の母御であったか」

 「はいっ」

 雌狸の化けた女は、丸い顔を上げて哀願した。

 「お仕置きはこのわたくしがお引き受けいたします。どうぞ、その子だけはお助け下さいまし。」

 「晴明・・・」

 晴明が本気で狸汁のことなど考えてはいないことはわかってはいたが、母狸が哀れになった博雅は、背後から声をかけた。

 「何、冗談だ」

 晴明は澄ました顔で簀子に出、子狸を上がり口の石の上に下ろしてやった。

 子狸は鞠が転げるように母のもとに駆けていった。

 そして母の衣に触れた途端、ぽんと五つくらいの童の姿に化身し、母の背に隠れてしまった。

 「ほう」

 博雅は目を丸くした。

 「あ、ありがとうございましたっ」

 ひれ伏した女に、晴明は問いかけた。

 「して、お願いとは何ですかな?」

 「はいっ」

 女は顔を上げた。

 「実は、わたくしども小浜の狸は、年に一度、山向こうの遠敷の狸と楽比べを致すのですが、今年は次の満月の夜に催すことになっております。」

 「楽比べ?」

 「双方の狸が、笛や琵琶や謡や腹鼓の技を競い合うのでございます。」

 「ほう、それは雅な」

 「は、腹鼓?」

 晴明が微笑ましげにうなずく後ろで、博雅はそれこそ狸に化かされたような顔をしている。

 「わが小浜は、古くより唐土と都との往来を取り継いできた地でございます。断じて遠敷の狸などに負けるわけには参らぬのでございます。」

 「そうでしょうなあ」

 晴明は、さも関心ありげにうなずいた。

 「して、このたびの楽比べにて、」

 母狸は、背中の後ろの子狸を前に押し出し、

 「この子が初めて出ることとなり、琵琶を弾くのですが、なにぶん親ともども不調法で、全く聴くに耐えないありさま」

 悲しそうに首を横に振った。

 「そのような折に、都より名高き楽の名手がおいでになり、この地にてご逗留と聞き及びまして」

 女はちらと晴明を見上げた。

 「大変不躾とは存じましたが、是非是非我が子にご指南頂きたく、矢も盾もたまらず、こうしてまかり越したのでございます。」

 「ほお」

 晴明の目がまたすうっと細くなった。

 「そなたの言われる名高き楽の名手とは、こちらの源博雅さまのことですかな?」

 「は、はいっ、さようですっ」

 この美しくもおそろしげな男が頼む相手ではないと知って、女はあからさまにほっとして奥の博雅の方を見た。

 「時折、裏山にてお笛や琵琶を奏でられておられるのを耳に致しておりましたが、このように美しき調べがこの世にはあったかと、聴き惚れておりました。」

 「そうでしたか。さほどのものでもないのですが・・・」

 博雅は照れて、

 「ありがとうございます。」

 狸にでも、褒められればうれしいものであるらしい。

 「わたくしがその子に琵琶を教えて差し上げればよろしいのですね。」

 単を肩にかけて廂に出てきた博雅を、晴明は眉をひそめて見やった。

 「まだ無理はせぬ方がよい。」

 「だめか?」

 「だめだ。おまえは楽のこととなると根をつめすぎる。」

 「しかし・・・」

 「かないませぬか?」

 二人のやりとりを庭から見上げていた母狸がおそるおそる訊ねた。

 晴明はにこやかに母子の方に目を向けた。

 「博雅さまは重い病を患われてこの地で養生なさっておるのだ。そのような無理はお願いできぬ。」

 「・・・さようでございますか・・・」

 母狸は悄然と丸い肩を落とした。

 「晴明・・・」

 その様子を気の毒がった博雅は、

 「童に手ほどきするくらいならちょうどよい気晴らしになる。そう手間もかかるまいよ。」

 「おれは賛成できぬ。」

 晴明は取り付く島もない様子だったが、

 「根をつめたり、長く刻をかけたりはせぬ。・・・なあ、晴明、よいであろう?」

 「・・・。」

 博雅にそんなふうにねだられて、晴明に否と言えた例しがなかった。

 「わかった」

 不承不承うなずいた。

 「ただし、一日半刻だけだぞ。」

 「まことか?」

 博雅の顔がぱっと明るくなった。

 「それから、今日はだめだ。明日からにしろ。」

 「おお」

 博雅はうなずいて、庭にかしこまっている母狸に声をかけた。

 「明日から巳の刻(午前9時〜11時)においでなさい。琵琶を教えてあげましょう。」

 「・・・あ、ありがとう存じます。」

 母狸は子狸の頭も片手で下げさせながら、何度も頭を下げた。


 翌日、約束の刻限に小さな童が別邸を訪れ、それは毎日続いた。

 晴れた日には簀子に出て、雨の降る日は母屋(もや)の内で、熱心に博雅から琵琶の稽古を受けた。

 目のくりくりした、子狸が化けた幼い童が、大きな琵琶を抱えて一生懸命弾く様子は大変に可愛らしく、博雅も、我が子か幼い弟妹にでも教えるような心持になり、親身になって手ほどきをしてやった。

 子狸の方も、始めから博雅のことが気に入っていたとみえ、よくなついた。約束の半刻が過ぎると、どこからともなく晴明が現れ、博雅の背後に無言で座るため、おびえた子狸の方で暇を乞う羽目になるのだが。

 一度、博雅が子狸に対する晴明の態度に批判がましいことを言ったことがあったが、晴明はにっこりと微笑んで、

 「おれは狐だから、狸とはうまが合わぬのだ。」

 と博雅が返答に困るようなこと言い、いっかな態度を改める気はないようであった。

 そうして日がたち、ついに明日が楽比べ、という日になった。

 稽古のあと、博雅は子狸に向かって言った。

 「たいそう熱心に稽古をしたので、ずいぶんと上手になった。明日はしっかりやりなさい。」

 「ありがとうございましゅ。」

 子狸は舌足らずな口調で言い、丁寧に両手をついて頭を下げた。

 「みな殿さまのおかげでございしゅ。」

 「いやいや」

 博雅はかぶりを振って、

 「そなたが熱心に稽古をしたからだよ。褒美にこの琵琶をそなたに上げよう。」

 都から持参した二つの琵琶のうち、一つを子狸の前に置いた。

 「まことでございましゅか?」

 子狸はぱっと顔を輝かせた。

 「明日はこの琵琶を弾こうと思いましゅ。ありがとうございました。」

 子狸はきれいな布に包まれた琵琶を背中に負わせてもらい、大喜びで山に帰っていった。



 翌日、そろいもそろって小柄で小太りの男女が訪ねてきた。女の方は先日訪ねてきた母狸で、男の方はその連れ合いであろうとすぐに知れた。

 狸の夫婦は庭先にちょこんと並んで座り、そろって丁寧に頭を下げた。

 「このたびは大変厚かましいお願いを聞いていただいた上、あのように立派な琵琶まで頂戴してしまい、まことに恐縮しております。」

 夫の狸が言った。

 「そのお礼と申しては何なのですが、是非今宵の楽比べにお二方をお招き致したく、参上仕りました。」

 「ほう」

 博雅はうれしそうな顔をして、

 「楽比べに呼んでいただけるのですね?」

 「はい」

 夫婦はそろってうなずいた。そして、そろって心配そうに晴明の方を盗み見た。

 「ゆこうよ、晴明。何やら面白そうではないか。」

 博雅が言うと、晴明は思いのほかあっさりうなずいた。

 「おまえがゆきたいのならな。おまえを一人でやるわけにはゆかぬし。」

 「では、ゆくか?」

 「ゆこう」

 「ゆこう」

 そういうことになった。



 くっきりと晴れ上がった夜空に、月が丸く浮かんでいた。

 晴明と博雅を乗せた牛車は、人のよさそうな若者の姿をした迎えの狸に導かれ、山奥深く分け入った。

 しばらく行くと、開けた場所に出た。

 物見窓から外をのぞいた博雅は、ほうと声をあげた。

 「見ろよ、晴明、桔梗だ。」

 見ると、そこは一面に桔梗の花が咲いていた。青白い月明かりの下、地面がぼおっと紫色に輝くようであった。

 車は、桔梗の花々の間をしずしずと進んでいく。

 桔梗の花畑を通り過ぎたと思うと、不意に立派な寝殿造の屋敷が現れた。

 車寄せで車を下り、屋敷の中へと導かれる。

 中庭にはたくさんのかがり火が焚かれて昼間のように明るく、中央に立派な舞台がしつらえられていた。

 この舞台をはさんで、東側に居並ぶのが遠敷の狸、西側にいるのが小浜の狸だと、晴明と博雅を西対の広廂にしつらえた席に案内した狸が説明した。

 狸たちは、そろいもそろってぽっちゃりした体型の人の姿に化けていて、男は直衣、女は小袿とやんごとない貴族のような華やかないでたちである。

 「楽比べということですが、判定はどなたがなされるのですか?」

 博雅が訊くと、案内の若者は恭しく寝殿の広廂にしつらえた席を示した。

 「あの方がたでございます。」

 そこには、唐風の衣をまとった若く見目麗しい男女が並んで座っていた。女のつけた金の簪が月の光を受けてきらきらと輝いている。

 「ほう」

 晴明が感心したように軽く声を上げた。

 「若狭彦神と若狭姫神※ではないですか。」

 「さようで」

 若者は得意げに胸をはった。

 「毎年、この日のために御社より御出座下さるのですよ。」

 「それはそれは」

 そうこうしているうちに、双方の長老格らしい、これまた小柄でよく太った老人が二人出てきて舞台に上がった。

 何やらむにゃむにゃと祝詞のようなものを唱えている。開会の合図であるらしい。

 老人たちが引っ込むと、まず遠敷の側から、わらわらと金糸銀糸の縫い取りの入ったきらびやかな衣をまとった楽人たちが、それぞれ楽器を手にして舞台に上がった。

 まず横笛、次いで篳篥、笙がこれに和し、更に箏と琵琶が華やかに楽を盛り上げる。

 なかなか荘厳な趣きである。

 一曲が終わると、横笛の独奏に合わせて謡が始まった。

 なかなか見事な声ぞ、と聴き惚れていると、舞台の奥に座っていた数人がぽんととんぼ返りをしたかと思うと、狸の姿に戻り、ぽんぽこぽんと腹鼓を始めた。

 更に美しく裾をひいた衣の舞人たちが新たに舞台に上がり、華やかに舞い始める。

 双方の狸たちとも、やんややんやの大喝采だ。

 博雅も楽しそうに手を打っている。

 横で晴明がやわらかい表情でそれを眺めていた。

 やがて遠敷の狸たちの楽がひけ、小浜の狸たちの番となった。

 「おお、あの子狸が出るぞ」

 博雅の与えた琵琶を抱えて小さな童が、仲間たちと舞台に上がるのを見て、博雅が声を上げた。

 「うまく弾けるとよいが」

 我がことのようにはらはらした顔で見つめる。

 博雅の心配をよそに楽が始まったが、子狸はなかなか見事に琵琶を弾きこなしているようであった。

 「あの小童はなかなかの腕じゃな」

 「都の名人のもとで修行したそうじゃ」

 「小さいのに豪いのう」

 そんな囁きが狸たちの間から聞こえてくる。

 やがて、謡が始まり、舞が加わり、陽気な腹鼓も始まって、またも中庭は楽しげな雰囲気に包まれた。

 ところが。

 突然、舞台の上で踊りながら腹鼓を打っていた狸の一匹が仰向けに倒れてしまった。

 「おお」

 「いかがしたのじゃ」

 狸たちが慌てふためいて右往左往する。

 やがて、様子を見に行っていた案内の狸があたふたと戻ってきて、晴明と博雅に告げた。

 「打ち過ぎて腹の中が破れてしまったようにございます。」

 「おやおや」

 「それは気の毒な」

 晴明は軽く眉をひそめ、博雅は顔を曇らせた。

 「あの者は今日に備えて他の狸の倍も三倍も稽古を重ねておりました。その無理が祟ったのでしょう。」

 狸の若者は泣きそうな顔で二人の顔を代わる代わる見た。

 「このままでは死んでしまいます。何とかお助け頂けぬでしょうか。」

 「晴明・・・」

 博雅が晴明を見ると、晴明は、やれやれ仕方ないな、と立ち上がった。

 そして、庭に下り、舞台の上にひっくり返っている狸のところへ行くと、注意深く腹をさすった。

 それから、袂から紙包みを取り出し、

 「誰か、水を」

 晴明の求めに、近くにいた舞人がかわらけに汲んだ水を持ってくる。

 晴明は、紙包みの中の褐色の粉を狸の口に落とし、水を飲ませてやると、

 「腹の中が破れてしまったわけではないよ。ただ、腹を打ち過ぎて気分を悪くしただけだ。気つけの薬をやったからしばらく休ませてやりなさい。」

 それから、笑いながら念を押した。

 「腹鼓はほどほどに、と言うておきなさい。」

 倒れた狸が注意深く運び出されたあと、いよいよ判定となった。

 若狭彦神が立ち上がった。

 狸たちはいっせいに固唾を呑んだ。

 「小浜の勝ち」

 若狭彦神は、月の光のような艶やかな声で宣した。

 小浜の狸たちは大喜びで、飛んだりはねたり、狸の姿に戻ってとんぼ返りを打ったり、人の姿のまま踊り出したりと、もう大騒ぎだ。

 遠敷の狸たちも、しかし悄然とするわけではなく、真剣に顔を合わせて、来年こそは、と誓いを新たにしているようだ。

 その時、今度は若狭姫神が立ち上がった。

 浮かれ騒いでいた小浜の狸たちも、ぴたっと騒ぎをやめ、美しい姫神を注視する。

 若狭姫神は、鶯の囀るような声で言った。

 「今宵は、都よりやんごとないお客人をお招きしております。」

 美しい瞳を西対に向けた。

 「安倍晴明さま、源博雅さま。晴明さまはたった今わたくしの大切な子たちの一人を救って下さいました。お礼申し上げます。」

 若狭姫神は丁寧に頭を下げた。晴明も優雅な仕草で礼を返す。

 「博雅さまは、わざわざ幼い子の一人に琵琶の手ほどきをして下さったとか」

 「いや、大したことでは・・・」

 博雅は照れながらも、丁寧に礼を返す。

 「この上不躾とは存じますが、折角の折りでございます。是非博雅さまに楽をご披露頂くことは出来ませぬでしょうか。」

 「おお」

 「それはよい、それはよい」

 遠敷の狸も小浜の狸もやんやの喝采である。

 博雅はひどく照れくさかったが、自身も興に乗っていたし、もともと、このように出来上がってしまった雰囲気に抗えるたちではない。

 晴明が明らかに賛成しかねる顔なのが気になったが、葉二を取り出して庭に下りた。それから、小浜の狸たちの方へ歩み寄り、琵琶を抱えた子狸の手を取った。

 「そなたも琵琶を弾いておれの笛に和してくれぬか?」

 「はい!」

 子狸は天にものぼる心地で飛び上がり、琵琶を抱えたまま博雅に手を引かれ、共に舞台に上がった。

 やがて、辺りを満たす妙なる笛の響きと、これを追い慕うように和する琵琶の音に、狸たちはしんと静まり返って、耳を傾けた。

 若狭彦神と若狭姫神も、それぞれ袖を目にあて、感に堪えない様子で聴いている。

 現つ世のものとは思えぬほどに美しい音色は、明るい月の光を絡み合い、秋の夜空を漂ってゆくのであった。



 翌朝。少々のぼせが過ぎたのか、博雅は微熱を発してしまった。

 神妙な顔で褥に伏している博雅の傍らで、晴明は熱さましの薬を煎じながら、きっぱりと言った。

 「もう、狸はいかん。」

 「・・・狐なら、よいのか?」

 申し訳なさそうにしながらも、博雅が混ぜっ返すと、晴明は大真面目に、

 「狐もだめだ。」

 と言った。それから、すっと手を伸ばして博雅の額に手を当てた。

 冷んやりとした手の感触が心地よい。

 「早く元気になれ。」

 「ん」

 優しく囁かれて、博雅は、母に労わられて甘える童のような顔でうなずいた。



 狸は、晴明を恐れたか、姿は見せなくなったが、博雅の寝所の簀子に木の実や茸、野の花や紅葉やらが置かれていることが、二人が都に戻るその日まで続いたのであった。

(結)


 「小浜サナトリウム・シリーズ」オンライン第2弾でございます。たまには、こういう軽いお話もいいかな〜と。ギャグとかも書いてみたいのですが、ネタが浮かばない。

 (註)

※若狭彦神、若狭姫神・・・コミックの8巻にも名前が登場しました、鵜の瀬の近くにある二つの神社の祭神です。別名を遠敷明神といい、古くからの土地の神様のようです。つーことは、遠敷の神様で小浜の神様ではないってことか?まいっか。(いいのか?)

 

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