『陰陽師 瘤取り晴明』
「おい、博雅、よかったな。おまえは啖われずにすみそうではないか」 (文芸春秋社刊単行本p.134) |
いや、ほんとに博雅は好い漢ってゆーか、可愛すぎるぞ、おまい、ってゆーか。晴明さまこそ、よかったですねえ。博雅にこんな 昔話「瘤取り爺さん」が実に巧みにアレンジされていて、なかなか洒落た小品、といった趣きで。朱呑童子さまはご登場だわ、 |
<出典> 『宇治拾遺物語』3段「鬼に瘤取らるる事」 |
頬に大きな瘤を持つ老薬師の平大成が、鳥辺野で鬼の宴に遭遇する。紅爪茸を食べて陽気になった大成は、面白おかしく鬼の前で 舞い踊って、喝采を浴びた。再会の証に、と頬の瘤を取られた大成を見て、同じく頬に瘤を持った弟の中成がこれをうらやんで、大成を 迎えに来た鬼たちと共に宴に出かけてしまう。中成の運命は・・・。 |