源博雅
史実 |
918〜980。平安時代の雅楽家。父は醍醐天皇第一皇子克明親王、母は藤原時平女。臣籍に下され、源姓を賜う。934年、 左大臣にまでのぼりつめた伯父源高明ら他の賜姓源氏たちに比べて政治的には不遇であったと言えましょう。本人の性格もあり しかし、雅楽には優れた才を発揮、著作も残し、作曲した「長慶子」は現在でも演奏されています。「博雅三位」と通称され、後世 藤原氏が台頭してゆく時代、皇族出身の賜姓源氏の立場というのは、実に難しいものであったそうです。博雅の叔父、源高明も こと源博雅は、その道に咲いた大輪の花であったのです。 |
伝説 |
説話などに登場する博雅の伝説については、「博雅さまとわたくし」で詳しく見ていますが、博雅が笛を吹いたら瓦が落ちたと記し か素敵な偶然ではないでしょうか。 |
『陰陽師』 |
シリーズ当初、博雅が武士として描かれている点について、獏先生自らミスだと認めておられるのですが、ただ、「玄象という琵 主人公コンビを、「美しい魔術師と精悍な戦士」という、ファンタジーでは定番な組み合わせにしたかったのではないでしょうか。 個人的に「精悍な武士」な博雅より、「繊細で優しい心を持った教養人」な博雅の方が、好みですし。(笑) 長編『生成り姫』で描かれた博雅の純粋さ、魂の清らかさは、切ない印象を残します。「鬼となったそなたが愛しい」と言い切っ 晴明は自ら鬼神を動かすが、博雅はその心によって自ずから鬼神が動く、という言われ方がよくされます。『生成り姫』には博雅を 天地からの働きかけを受け止める力を持つ博雅を満たすことのができるのは晴明だけ、という風に解釈することができるのではない でしょうか。やおいとか同性愛とかいうのは全く抜きにしても、何ともセクシーな関係ではないかと思うのですが、どうでしょう。 |